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  • 2012.09.27 Thursday
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ボクサー研修旅行inドイツ (更新日 9/15)



  1.  プロローグ
  2.  ヤーレスジーガー展 (1) Babyklasse
  3.  ヤーレスジーガー展 (2) 白いボクサーの審査
  4.  ヤーレスジーガー展 (3) Jugendklasse
  5.  ヤーレスジーガー展 (4) 待ち時間のボクサーたち
  6.  ヤーレスジーガー展 (5) Zwischenklasse, Offeneklasse  NEW
  7.  ヤーレスジーガー展 (6) Siegerklasse  NEW
  8.  ヤーレスジーガー展 (7) Gebrauchshundklasse
  8.  ヤーレスジーガー展 (8) Veteranenklasse, Siegerparade
  9.  ヤーレスジーガー展 (9) 内容未定
  10.  Gruppe Jever −グルッペハイム見学−
  11.  Boxer-Klub E.V. Sitz Munchen -ドイツボクサークラブ本部事務所見学-
  12.  狩猟博物館 -ブレンバイザーの絵を探せ!-



ヤーレスジーガー展覧会 (6)



Siegerklasse Rüden gestromt
  

Offeneklasse以降はカタログどおりの進行ではなかったので、ここではクラス別にわかりやく書いておきたいと思う。
Siegerklasseというと、名前どおりここからジーガーとジーゲリンが決められるような一番高いクラスのように聞こえるが、実はそれらが決定されるのはGebrauchshundklasse(作業犬のクラス)で、このクラスは生後15ヶ月以上のタイトルを持っている犬たちが審査される。タイトルというのは各国々のチャンピオンタイトルであったり、Klubsieger、VDHチャンピオンなど様々であるが、訓練資格の有無は問われない。(Gebrauchshundklasseには訓練資格がないと出られないが、Siegerklasseには訓練資格をたとえ持っていても出ることができる。)




Pollux Canine Boxer Aroso / Siegerklasse Rüden gestromt V1

遠路はるばるやってきた日本人にカメラ目線でサービスしてくれたのはノルウェーのPollux Canine Boxer Aroso。去年のヤーレスジーガー展当時は4歳と3ヶ月の彼、これまでにノルウェーはもとよりデンマークやスウェーデン、そしてドイツの審査会で精力的に活動をしているようだった。ヤーレスジーガー展は2007年のJunghundklasseより出陳され、2008年と2009年はSiegerklasseでV2、V1の成績を残し、そしてこの年2010年も同クラスで2度目のV1を獲得した。つまり3年連続Siegerklasseに出ているということになる。本来ならば1年でGebrauchshundklasseへ引き上げたいところだろうが、こうして時間をかけた(かかった)のはオーナーの訓練に対する熱い思い入れもあってのことだろうと推測する。このクラスに出陳された犬の情報を見てとれることに、すでに訓練資格を持っている犬をSiegerklasseに出陳するか、それともGebrauchshundklasseに出陳するかはオーナーの志向もありそうだが、このArosoの場合はそれとはどうも違うように思う。
というのもオーナーのBjarneさんはArosoと一緒にIPOの資格取得にむけて日々励んでいた。ドイツでは犬の訓練を飼い主が学べる環境が日本より整っているという話は、犬好きの人なら一度は耳にしたことがあると思うが、ボクサークラブには地域ごとにGruppeと呼ばれる支部のクラブがあり、決まった曜日には会員が集まって訓練を学ぶことができるという。とはいえ、高等な訓練(VPGやIPO)を全員が全員Gruppeで開かれる訓練会で取得することなど可能なのだろうか?という疑問を私は長らく持っていた。Bjaneさんはドイツ在住ではないが、ドイツの訓練や審査会にも精通しているようだったのでこの疑問を投げかけてみた。すると彼は、「ここヨーロッパでも訓練はプロのトレーナーに任せる人もいれば、オーナー自ら行ってる場合もあって、それは日本と同じで人それぞれだよ。」と答えてくれた。Bjaneさん以外にも、ドイツ在住ボクサーオーナーを含め3名がこの私の質問に対してまったく同じ返答をしているので、これもまたお国柄を問わず要はやる気やそれぞれの事情だけの問題のようである。このようにヨーロッパでもすべてのオーナーが訓練をするわけではない中、時間をかけながらも目標や夢を持って努力することはやはり素晴らしいと思う。











ちなみにBjaneさんは上の写真でArosoのハンドリングをしている人物ではなく、一番上の写真の右端に写っている黒いジャンパーの男性だ。彼はノルウェーのクラブで訓練を学ぶだけではなく、プロのドッグトレーナーが主催するヨーロッパ各地の訓練セミナーにも出席していて、年齢から考えてもずいぶんタフな人だと感心する。「私は長い道を歩いている。でもそれはとても楽しい道でもある。」そう語った彼は、今年4月にArosoと共に念願のIPO1に合格した。明後日から開催される今年のヤーレスジーガー展では、きっとGebrauchshundklasseに立つArosoの姿を見ることができるだろう。華やかな世界の裏には、彼のように地道な努力を積み重ねながら夢や目標に向かって愛犬と共に歩む姿があるのだ。




Karajan vom Schlingengrund / Siegerklasse Rüden gestromt V2





Nimbus vom Hanseatenhof / Siegerklasse Rüden gestromt V3





いつのまにか途中でハンドラーを交代していたのは日本でカリスマ的人気がある(男性ファン多し?)Faust犬舎のTorsten Lemmer氏。自身の繁殖犬や、所有犬もしくは過去に所有していた犬と関係のある犬を、彼のような著名なブリーダーや愛好家が務める姿も数多く見られた。だからオーナーが誰なのか一見わからないことも多い。


 


ヤーレスジーガー展覧会 (5)



Duque de Loermo / Zwischenklasse Rüden gelb V1

さていよいよ2日目に突入する。あいにく朝から小雨がぱらつき、最も盛り上がるべきこの日が私達にとっては思いがけない寒さとの闘いの1日になった・・・。
まず最初の審査はZwischenklasseから始まった。このクラスは"若犬と成犬の間(あいだ)のクラス"といったところだろうか。PDでいうと未成犬組に該当する。但し、未成犬組は生後18-24ヶ月、Zwischenklasseは生後15-24ヶ月と若干の違いはあるが。




Duqueはスペインからの遠征組。審査を務めたFrau Inge Gerwinとオーナーが握手を交わすと思わず興奮してしまうの図。このクラスは全体的に落ち着きのない犬が多く、成長過程にある様子が垣間見れたようで微笑ましくも感じた。




Enhorabuena! (スペイン語でおめでとう!の意。)







ところで、この展覧会の全体を見て感じたことは、思ってた以上に派手な毛色をした犬が多いことだった。ホワイトマーキングの少ない、毛色が地味な犬(英語圏ではプレーンと呼ばれているらしい)はぽつぽつといるだけで、このZwischenklasseで見かけた顔にホワイトマーキングのない犬同士が向かい合う姿はとても新鮮に感じられた。



Zwischenklasse Rüden gestromt





Offeneklasse Rüden gelb

シャワーのような雨がサーッと降ってはテントに入り、太陽が見えてまたリングに戻ったり。そんな繰り返しのおかげで極端に写真の枚数が少ないのはこのクラス・・・Offeneklasseは15ヶ月以上の訓練資格を持たない犬のクラスで、出陳犬の年齢を見るとそのほとんどが2歳前後である。日本のドイツ系/ヨーロッパタイプのボクサーはPDの審査会に出陳されているが、PDの成犬組(2歳以上)へ出陳するには訓練資格と種犬認定が必要となっていて、愛犬を成犬組へ出陳しようと決めたその日から"間に合わせるために"忙しなく訓練をするオーナーも少なくない。とはいえ、その最低限の訓練資格に求められる内容は、良くも悪くも2歳までに十分取得できるものなのだから、決して無理難題を課せられているわけではない。ドイツのGebrauchshundklasseへの出陳条件となるVPGもしくはIPOの作業内容とくらべると一目瞭然だ。しかしPDにもこのOffeneklasseのようなクラスがあれば、もう少しじっくり訓練と向き合うことができるだろうし、そこから生まれる新しい何かが見つかるかもしれない。
本筋から少しずれてしまったが、Offeneklasseに出陳されている犬の中にはAD(耐久力試験)やBH(同伴犬訓練試験)を取得しているものや、ZTP(繁殖適正検査)にも合格している犬もいて、あとは訓練資格のみ!なんて声が聞こえてきそうな、前向きな準備段階にある様子が伝わってくるようだった。


 


ヤーレスジーガー展覧会 (4)



Action von Schloß Arolsen / Jüngstenklasse Rüden gelb Vielversprechend 3

『 待ち時間も展覧会である 』
足を一歩リングに踏み入れるとアクティブかつエネルギッシュなパフォーマンスを見せるボクサーたちも、待機中はいたっておとなしく、コンパニオンドッグとして愛され続ける理由がそこにあるような、本当に穏やかな顔をしているのが印象的だった。じゃれたりごろごろと寝転ぶ姿もあれば、主人の傍らにすっと背筋を伸ばして寄り添う姿など、写真を集めてみるだけでも面白い。













こんなおちびさんたちも将来に備えて(?)おりこうさんに見学。




Poison vom Schützenrain / Gebrauchshundklasse Rüden gelb V2




雨が降り出してテントに避難していたPoisonをキャッチ。よくわからない言葉でやけに話しかけてくる人間たちに少し戸惑いをかくせない表情。(そんなところもまた愛らしい。)しかし大事な出番前に私達の撮影に応じてくれたオーナーには感謝する。そんな彼はこの後、見事にGebrauchshundklasseで2席を獲得していた!さて今年の挑戦はいかに!?
Viel Erfolg!!!




Caius des Jardins d 'lrossa / Gebrauchshundklasse Rüden gelb

背筋ぴーん。




Dee dee Ramone de Cuervonegro / Siegerparade

前年のgelb(黄色)のヤーレスジーガーもこのとおり。待ちくたびれた〜の図?笑




Esau Fan Optica State / Gebrauchshundklasse Rüden gestromt 




Enrico von den Chatos / Gebrauchshundklasse Rüden gestromt




Diouk du Val d'europe / Offeneklasse Rüden gelb V3

ご機嫌でボール遊びをしていたボクサーを撮影していたら、にこりと笑顔を返してくれたのはVal d'europe犬舎のFrancois Medioni氏だった。オーナーに代わって自身の繁殖犬のハンドリングをしていたそうだ。



つづく


ヤーレスジーガー展覧会 (3)



Notting-Hill von My -Tee / Jugendklasse Rüden gelb SG3




Carlson vom Rhöner Blut / Jugendklasse Rüden gelb



Babyklasse、Jüngstenklasseを経て、Jugendklasse(9-18ヶ月)の審査が始まろうとしたときには、リングの周囲にはホープがずらっと並んでいた。写真のとおり成犬のクラスかと錯覚するほどの充実ぶり。もちろん個体差はあるが、ヨーロッパの審査会ではこれくらいがこのクラスに求められるのかと思うとちょっと腰が引ける。(え?私も出すつもり?なわけない!笑)成長期に間違った過度な運動をかけると怪我の元になるだけでなく、関節を狂わせたり、体型を崩す原因にもなるというが、一体どうすればこのような年齢に見合った美しい体が作れるのだろう?(後に書くつもりでいるが、環境も一因にあるのだろう・・・あぁ羨ましい。)




Comte von Schloß Münchhausen / Jugendklasse Rüden gestromt SG4




Simmo von der Burg Singidunum / Jugendklasse Rüden gestromt








Jugendklasse Rüden gestromt 比較審査に入る様子




近くの犬を利用しながら自分の犬の見せ場を巧みに作るハンドラーたちが目に付いた。審査員はそういう様子もよく観察しているようだった。また私が見ていたかぎりでは、「近づけるな!」と言いながらも自分は都合よく後ろから煽る、(一部の)いけずな日本の訓練士のような人はいないようだった。このクラスにはベテランの愛好家もいれば初心者も、そして訓練士もいたが、いくら勝負がかかっているとはいえ、傍から見ていてまったく見苦しい行いなどここにはひとつもなかった。(実際にその場に参加するとなると、また違った面も見えてくるものかもしれないが。)むしろベテラン愛好家から技を盗めるチャンスがたくさんあるだろう。




このクラスには血気盛んな犬の姿もちらほら。頭数のわりには決して広いわけではないリング内で、犬同士が接触することはなく、女性でも険しい顔ひとつせずに上手にコントロールしているのは是非見習いたい。







奥: Pato / Jahresjugendsieger Rüden gestromt



つづく




ヤーレスジーガー展覧会 (2)

 

ところで、ヤーレスジーガー展 (1)のクラス一覧表を見て「あれ?」と思った人が多いのではないだろうか。このヤーレスジーガー展覧会では白いボクサーのクラスがあったのだ。このことは旅行前に見ていたオフィシャルサイトで知ったのだが、クラス別の審査員の告知欄にはGelb(黄色/フォーン)やGestromt(縞模様/ブリンドル)に続いて"alle weißen Boxer"(すべての白色のボクサー)として記されていたのだから思わず目を疑った。
周知の通り、ボクサーは白い毛が1/3以上あると失格とされ、繁殖が禁止されているのはもちろんのこと血統書の発行もできなかったのが、近年ドイツでは登録が可能になり、日本でもこうした世界各国の動きを正しく把握されている方の働きかけによって、ジャパンケンネルクラブ(JKC)では2010年4月1日以降に登録される1胎子から「×印」が記された血統書が発行されることになった。(2011年9月現在、日本国内のドイツ系/ヨーロッパタイプのボクサーのほとんどが登録されているPDでは、残念ながら白いボクサーの登録は認められていないままである。)

このように日本国内でも白いボクサーにとって新しい道筋ができたところ、ドイツでは展覧会で白いボクサーも審査されるようになったというのは一体いつに始まったことなのか?慌ててドイツBKのウェブサイトからそれらしき報告が残っていないか血眼で探すも(冗談抜きですっかり眼精疲労・・・)、残念ながら私の語学力では気の遠い作業になりそうなので、ここは手っ取り早く直近の展覧会結果からweissの文字を探してみることにした。






Whisky vom Matthesberg / Gebrauchshundklasse Rüden weiss V1
Ich danke Ihr schöne Bilder für Ihr Wohlwollen, Herr Dr.Volker Kretzschmar und Frau Petra Schlifka!


そうして調べていくと、2010年3月14日に開催されたSpezial-Ausstellung-Osnabrückという展覧会で4頭の白いボクサーの名前が記録されているのがわかり、これより前に行われた展覧会には白いボクサーの名前は存在しなかった。ということで白いボクサーの審査は2010年より開始されたと考えていいだろう。
上の写真のWhisky vom MatthesbergはOsnabrückで行われた初の展覧会と2010年ヤーレスジーガー展でGebrauchshundklasse V1(Vorzüglich1)を獲得した。Gebrauchshundklasseへ出場するためには、作業犬クラスという名前のとおりVPGかIPOのどちらかの訓練資格を持っていることが条件となっていて、このWhiskyはVPG3を取得している。去年のヤーレスジーガー展の前日に7歳になった彼は、長いあいだ展覧会とは無縁でいたということになるが、訓練で鍛え上げられた見事な筋肉が白い被毛に浮かび上がり、それはとても美しい。またそこからはオーナーの情熱さえも伝わってくるようだ。
Whiskyの写真をブログに掲載するにあたって、事前にオーナーへ連絡を取ったところ「遠く離れた日本でWhiskyを知られていることは光栄です。」と快諾いただいた。また「彼は美しいだけでなく、スポーツマンタイプでもあります。」と書かれていたところにも、ボクサーの訓練に対する理解と自信のほどが伺え、Gebrauchshundklasseでの受賞が尚一層価値あるもののように感じられた。



白いボクサーがスタンダードから除外された1925年に続き、1938年には斑のボクサーも除外したということだが、以後85年の歳月を経てドイツBKが展覧会への出陳を許可した真相を知りたい。というのも、私がボクサーの飼育を始めたのと同時に審査会への挑戦も始まり、有難いことにToriumiさんをはじめ諸先輩方からはドイツの審査会/展覧会についても話を伺う機会が多くあった。そういう環境の下、Toriumiさんがご自身のウェブサイトに書かれているとおり、審査会/展覧会はZuchtschau=繁殖展であるという考えを常に頭の中に置いて、自分のボクサーを審査会へ出陳していた。だから簡単に言ってしまうと、繁殖を禁止されている白いボクサーが繁殖展の役割がある展覧会に出陳されるというのは、本来の意図から外れてしまうのではないのか?と、冒頭にも書いたとおりヤーレスジーガー展を見に行く前には頭を悩ませたのだ。おまけに過去の展覧会の記録をたどってみても、白いボクサーの審査の有無に関係なく、名称にZuchtschau(繁殖展)を使っているのもあればAusstellung(展覧会)としているものもある。どういう違いがあるのだろうか?
またこれは今書くべきことではないと思っているが、この疑問を解決してくれそうな新しい動きがドイツにはあるようだ。白いボクサーと斑を持つボクサーに関連する文献も公開されているし、これを正しく読むことができれば・・・私の頭の中はすっきりするのに・・・。(ブツブツ言ってないで頑張って勉強しなさい!なんて先生に叱られそう・・・)
さて、もうすぐ2011年のヤーレスジーガー展が始まる。去年より白いボクサーの出陳は増えるのだろうか?


ヤーレスジーガー展覧会 (1)



Jugendklasse Rüden gelb - 生後9ヶ月〜18ヶ月の牡のフォーンのクラス-

ブロローグを書いてから半年も経ってしまっていることに我ながら唖然とする・・・あと数日で今年のヤーレスジーガー展が開催されるというのに!つい先日には、去年会場で知り合ったノルウェーのブリーダーから「今年も来るの?」とメールがあり、行けるものなら毎年行きたい!という気持ちをぐっと抑えていた私はその言葉で小さく爆発した。長すぎる余韻にいい加減浸ってばかりないで、やることをやろう。いまだ完結していない去年のレポートを仕上げてみることにした。(もちろん記事を書きながらも余韻に浸り続けるのだが。)
『自分で見て聞いたドイツのこと 』 、そして 『 心に感じたドイツのこと 』 をドイツとボクサーに想いを馳せながら。

フランクフルトからドイツへ入った私達はすぐにでも展覧会会場の最寄空港となるブレーメンへ飛んでいきたいところ、残念ながらトランジットのスケジュールがあわず、初日は空港近くのホテルで一泊することにした。女ふたりの目的はボクサーのみ!はやる気持ちを抑えつつ・・・ビールだけがどんどんすすんでいく・・・。(それにしても美味い!)そして翌朝、先に到着されていたToriumiさんとブレーメン空港で合流し、2日間のヤーレスジーガー展を観覧するための拠点Oldenburgへ、今度は楽しみにしていたDB(ドイツ鉄道)で向かう。
そういえばブレーメン空港の手荷物受取所では、主はボクサーであろう#300〜#400のバリケンがいくつか見られたが、いずれも中は空っぽだった。日本国内の手荷扱いでの犬の空輸は、犬はバリケンに入れられたままターンテーブルに出てくるものだが、さてドイツで空だったのは空港会社専用のバリケンネル/クレートが用意されているのだろうか?ボクサーではないが近くの扉から係員とともに犬だけがとことこ出てきてたし?何はともあれ、こうして1日ずつ着実にボクサーに近づいていくのだった。





2010年ヤーレスジーガー展覧会開幕!!!(Babyklasse審査風景)

さてドイツに到着して3日目、いよいよメインイベントのヤーレスジーガー展覧会の話になる。会場はOldenburgからさらに車で10分のところにあるWardenburgという小さな町の運動公園だった。受付のテントをくぐり、出店が並ぶ通りを抜けた先には青々と茂った広い芝生のグランドがあり、ボクサーたちの姿がちらほら見えた。このときの感覚は私が初めて見学に行った2000年の加古川の審査会に似たものがある。あれから10年、日本でそれなりの数のボクサーを目にしてきたが、今度は"本場の審査会"と"原産国のボクサー"を目にするという感動はまた格別だった。と同時に、私が知っているボクサーだけの審査会、ビクター展の雰囲気をドイツでも感じたのだから不思議である。それはおそらく、ドイツでも日本でもクラブ会員が審査会を運営しているからなのだと思う。この年の運営を担当したOldenburg Boxer Klubの会員の方々の様子を見ていると、どことなく緊張感を漂わせながらもお祭り気分で浮き足立っているのがわかる。この感覚は私も過去に運営に携わった経験があるのでわかるのだ。(大変だけどボクサーのことが好きだから楽しめるという感覚。)
余談になるが、忙しく世話役をしていたあるFrauは、ビールを飲んでいる友人らしき男性を見つけて言った。
「私にもちょうだいっ!」すると男性は「じゃあキスをしてくれたらね!」と自分の頬をとんとんとした。日本じゃセクハラだぞ!と思っていたら、そのFrauは何もない顔をしてブチュッ×2っと済ませ、そしてビールをグビグビとやって足早に去っていった。天晴れである。(あ、私もいくらビールが好きだとはいえ、さすがにこれはできない、いや、しない。笑)
とまぁそんな話は別にしても、緑の芝生、集まる人々の肌、目、髪の色こそ違うが、ボクサー愛好家が作り出す『 雰囲気 』というのは、ドイツでも日本でも同じということだ。これはとても面白い感覚だった。

(注)この一連の記事内に記すボクサーというのはドイツ系/ヨーロッパタイプのボクサーをいい、審査会は(社)日本警察犬協会(PD)の本部または支部、犬種クラブ主催のものを指しています。




Babyklasse Rüden gelb - 生後3ヶ月〜6ヶ月の牡のフォーンのクラス-


 クラス
 月齢
 Babyklasse  3-6ヶ月
6
10
0
8
12
0
 Jüngstenklasse  6-9ヶ月
7
6
0
4
7
1
 Jugendklasse  9-18ヶ月
21
29
2
13
34
1
 Zwischenklasse  15-24ヶ月
5
7
0
6
13
0
 Offeneklasse  15ヶ月以上
12
20
2
24
17
3
 Gebrauchshundklasse  18ヶ月以上
18
18
1
8
12
1
 Siegerklasse  15ヶ月以上
5
5
0
5
1
0
 Veteranenklasse  8歳以上
2
2
0
3
5
0
 Siegerparade 
65


審査は2日間にわけられ、1日目はBabyklasse、Jüngstenklasse、Jugendklasse、2日目はZwischenklasse、Offeneklasse、Gebrauchshundklasse、Siegerklasse、Veteranenklasseが各日5つのリングで審査された。こうして見てみると最終日があれほど押しまくるのも無理がない強行さがうかがえる。初日にZwischenklasseくらいは入れといて欲しかったなぁ・・・とにかく慌しかったのだから。
審査方法や評価の種類については、Toriumiさんがご自身のウェブサイトでとても詳しく、そしてわかりやすく説明されているので是非そちらをご覧いただきたい。

ヤングハズバンドボクサー
http://homepage3.nifty.com/boxer/public_html/boxer/box/top_j.htm
ドイツボクサークラブ > ドイツの繁殖展

とはいえせっかくだし、私も感じたことを書いて書いてみよう。
 
 評価  意味  クラス
 V  Vorzüglich  素晴らしい

 ・Jugendklasse
 ・Zwischenklasse
 ・Offeneklasse
 ・Gebrauchshund
 ・Siegerklasse    

 Sg  Sehr gut  とても良い
 G  Gut  良い
 Gen.  Genügend  申し分ない
 Ng  Nicht genügend  申し分なくない(申し分がある)
 Vorgefüh  Vorgeführt  披露した  ・Babyklasse
 ・Veteranenklasse
 Vv  Vielversprechend  将来性がある

  ・Babyklasse ※
 ・Jüngstenklasse

 Vsp  Versprechend  見込みがある
 Ww  Wening versprechend  わずかに見込みがある
 Disqu.  Disqualifiziert  失格  

上の表は展覧会会場で販売されていたカタログ(出陳犬のデータが書かれている冊子)から作成したものだが、Toriumiさんがウェブサイトに書かれているとおりJugendklasseの最高評価はVではなくSGになる。また※印をつけたBabyklasseはカタログどおりに書くとVv、Vsp、Wwという評価が与えられるということになるが、BKがウェブサイトに掲載した各犬の結果を見てみるとVorgeführtのみが与えられている。Vorgeführtは直訳すると「披露した、お見せした」ということになるのだが、生まれて間もない子犬に対して優しい言葉だ。そしてこの評価はVeteranenklasseにも与えられ、今度は引退しても元気で美しくいる犬に敬意を表しているようで好感が持てる。どちらにとってもこの言葉には心があって大変素晴らしいと思うのだ。
(補足:ヤーレスジーガー展では2009年よりBabyklasseが審査されるようになった。)



Babyklasse Rüden gelb でVorgefürt 1(1席)を獲得した男の子




つづく



ボクサー研修旅行inドイツ -プロローグ-

さすがにそろそろドイツ旅行の記事をまとめておかないと永遠に公開しないような気もしてきたので、ここらでぼちぼちまとめていこうかな。というのもちょうど去年の今頃に航空券の手配をしていたことを思い出したので。^^

2010年9月16日早朝、ドイツへ飛び立つべく神戸港から関空を経由して成田に向かった。成田ではかれこれ10年来のボクサー友達Dharmamaと落ち合うことにした。そう、今回の旅行はただの海外旅行ではなく、ボクサー好きのための超ボクサー旅行なのだ。ボクサーをそれほど好きでもない人が同行しようものなら、きっと大ブーイングがおこりそうな、でもボクサーファンにとっては魅惑のツアーであったことは間違いない。というわけで私はこの旅行を 『 ボクサー研修旅行 』 と呼ぶ!!!




Jugendklasse Rüden gestromt - 生後9ヶ月〜18ヶ月の牡のブリンドルのクラス-

今回のこの旅行の一番の目的は、2日間にわたって開催されるドイツボクサークラブ(以下BK)のJAHRESSIEGER AUSSTELLUNG(ヤーレスジーガー展覧会)を観ることで、2010年はドイツ北西部にあるOldenburg/オルデンブルクという町で開催された。私たちがドイツに行くことを決めた去年の今頃、BKのホームページで開催地を知ったところで「どこそれ?」といった具合にまったくピンとこなかった。オルデンブルクはブレーメンから電車で約40分のところにあり、まず日本人には馴染みがない町だ。事前に情報収集するも検索でひっかかるのは経由地としての存在でしかなく、せっかくドイツへ行くのにこんなに地味な町だとはちょっとがっかりした。しかし私たちの目当ては観光なんかじゃなくボクサーを見ること。そんな風に気持ちを立て直し、残りの日程をどう過ごすかプランを練ることにしたが、後にこのオルデンブルクという場所がどれほど私たちにとって幸運をもたらすことになるのか、このときはまったく知る由もなかった。
とにかくプランの中心はヤーレスジーガー展の2日間とミュンヘンにあるBK本部事務所への訪問、そしてこの時期だけに開催されるビールの祭典オクトーバーフェストに行くこと!(ボクサーとビール、役者は揃った!)これだけのおおまかなプランが整ったところで、私はある方にドイツ行きを報告することにした。



もしかしたら一番目立っていたかもしれない可愛いボクサーちゃん。^^

ある方とは、これまでに何度となくドイツの審査会を見学され、現地の愛好家や審査員とも深い交流をもたれているヤングハズバンド犬舎のToriumiさんだ。カイザーが生まれる前に初めてお会いして以来、今日までドイツの審査会、BKの話をたくさん伺ってきた。"ボクサーを知るには一度はドイツに行かなければならない"、当たり前のようにそう思うようになったのもToriumiさんの貴重な話を聞いてきたからこそだ。そして2010年、私もいよいよドイツへ行けるようになり、その報告ができるのは嬉しかった。そして、もし今年もToriumiさんがドイツへ行く予定をされていたら・・・なんて淡い期待も。^^
しかし、残念ながら今年はその予定はないとのこと、その代わりではないが、私たちがオルデンブルク周辺に滞在しているあいだにゲルト ミュラー氏に会ってきてはどうか?と有難いお話があった。私が言うまでもないが、ゲルト ミュラー氏といえば日本のドイツ系ボクサーとは切っても切れない深いつながりのある方で、カイザーの父犬クセルクセスとアッシュの母犬ビーベルの繁殖者であり、Toriumiさんは彼の繁殖犬を4頭所有されていた。2004年2月には天理で開催されたビクター展のために来日され、私はここで一度お会いしている。そのゲルトさんがオルデンブルクから電車で30分ほどの町に暮らされているというのだ!こんな偶然があるものか!?メールを読みながら鳥肌がたったことは今でも忘れられない。これもカイザーが引き合わせてくれたに違いない、どうしてもそう思わずにはいられなかった。

「もちろん行きたい!行きたい!ゲルトさんに会いたい!!!」

その後ゲルトさんに連絡を取っていただき、Toriumiさんも所属されるGruppe Jever/グルッペ イエファー(ボクサークラブの支部。Toriumiさんのホームページに詳しく書かれているのでご一読あれ。)の見学許可も会長に取っていただいた。おそらくオルデンブルクよりもローカルな場所に違いなく、Dharmamaとどんな珍道中を繰り広げるのか、考えるだけでもわくわく、そしてどきどき。
そんなことで出発日が目前に迫りかけた8月、またもや私たちに幸運の風が吹いた。それはToriumiさんも急遽ドイツへ行かなければならない大切な用事ができたとのこと、なんと今回のヤーレスジーガー展とグルッペ イエファーの見学に同行していただけることになったのだ。願ったり叶ったりの事の進み方に私は舞い上がるばかりだった。

大切な用事・・・これはおふたりが長年築き上げられてきた友情の証そのものだった。海を越え、国境を越えてボクサーたちが繋いでいく。私たちもまた、人と人、ボクサーたちによって吸い寄せられていく。 (つづく)


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